SuperJam06
 
ウクレレの魅力を300%見せてくれた豪華イベントをレポート!
 
  ハワイ生まれの小さな楽器“ウクレレ”の持つ可能性を世に広めるべく誕生した、ウクレレの祭典「ウクレレ・スーパージャム」。ウクレレとは思えない自由かつ大胆な演奏を見せ・聴かせた、2006年公演を一挙レポート!
 
Official T
オフィシャルTシャツ
“春うらら、ウクレレぽろろ”と題された2006年のウクレレ・スーパージャムは、2006年4月1日(土)に東京・新橋のヤクルトホールで開催されました。この日素晴らしいプレイを見せてくれたのは、ハワイからハーブ・オオタ・ジュニア、LAからダニエル・ホー、カナダからジェームス・ヒルと、最近のウクレレ界を賑やかしているインターナショナル勢に加え、日本からキヨシ小林、そして紅一点、SAKURAという何とも豪華な顔ぶれ。500人のウクレレフリークを虜にしたのでした。

午後4時の開場とともにホワイエの特設コーナーでは、アルバム「ウクレレ・クレージー」に参加したアマチュアミュージシャンが皆様をお迎え。ストリートパフォーマンスさながら、楽しい演奏で場を盛り上げます。またロビーには、オフィシャルグッズや内外のウクレレメーカーをはじめ、多くのブースが出てお祭りムード満点となりました。
 
§将来有望なオープニングアクト登場
Dai Hirai
スーパー早弾き少年
平井 大
KAMATETSU
ジャカソロの名手
カマテツ
メインステージでは5時の開演を前に、オープニングアクトがスタート。トップを飾ったのは弱冠14歳のスーパー早弾き少年、平井大くん。ジェイク・シマブクロ大好きという平井くん。ウクレレを始めて2年とは思えない卓越したテクニックは、ジェイクに勝るとも劣らず!素晴らしいプレイでオーディエンスを圧倒しました。これからの成長がまだまだ期待できるだけに、将来が有望なプレイヤーです。

続けてステージに登場したのは、カマテツ。日本が誇るウクレレメーカー、フェイマス主催のウクレレ・コンテストにて、記念すべき第一回大会でソロ部門を優勝したプレイヤーです。“ジャカソロ”と称されているその奏法は日本屈指と言われており、最近は教則本までリリースしていて、もはやマチュアの域は超えています。この日も見事なジャカソロを披露してくれました。
 
 
§ウクレレでソウルを歌うディーバ、SAKURA
SAKURA セットチェンジを経ていよいよメインアクトの開演。
トップを飾ったのは、今回の紅一点のエントリー、ウクレレ界の歌姫、SAKURA。
男性陣の多いウクレレ界の中で貴重な女性アーティストであり、また本来はソウル・ボーカリストとして活躍している彼女だけに、インスト傾向の多いウクレレ界の貴重なウクレレ弾き語りプレイヤーでもあります。この日も全編ボーカルをフィーチャーして、やさしいウクレレサウンドとソフルフルなボーカルの、見事な融合を聴かせてくれました。

途中でゲストも呼び込む余裕のSAKURA。いきなりフェスらしい演出を見せてくれました。
まずは、彼女のウクレレの師匠、鎌倉にあるウクレレ・スタジオの三井達也さんが登場。三井さんのスタジオで、1920年代のマーチンのビンテージウクレレを壊してしまったことからウクレレを教えてもらうことになったという裏話まで飛び出し、SAKURAがウクレレで最初に作った曲『イルカナヒトミ』を一緒に演奏しました。続けて個人的友人でもあるダニエル・ホーが友情共演。ボブ・マーリーの『Is This Love』をSAKURAのボーカルと、ダニエルの6弦ウクレレソロで見事にカバー。

ウクレレと出会ってから、常にこの楽器で何ができるかを探求しているというSAKURA。自身のオリジナル曲を中心に、ハワイ調からソウル、そしてレゲエまでと、クロスオーバーな独自の世界を聴かせる正にウクレレのディーバでした。

【セットリスト】君のため/イルカナヒトミ/Is This Love/Surf/Buddy To Boo
SAKURA w/Tatsuya Mitsui
ウクレレの師匠、三井先生と
 
§スタイリッシュに聴かせるカナダのウクレレマスター、ジェームス・ヒル
続いて登場は、カナダが生んだウクレレ・マスター、ジェームス・ヒル。
ウクレレというと圧倒的にハワイのイメージですが、実はカナダでもウクレレ教育は盛んな地域があり、ジェームスの出身地であるブリティッシュコロンビア州では音楽の授業でウクレレを習うそうです。日本で言えばリコーダーといったところでしょうか?ジェームスもまた、極普通に学校の授業でウクレレに出会った一人。そこから彼はウクレレにのめり込んでいったとのこと。人間どこに“運命の出会い”があるか分かりません 。

ジェームスのウクレレ・サウンドは、やはりどこかスタイリッシュ。素晴らしいテクニックとエンターテイメント性に加え、ウクレレサウンドの中に、ハワイのウクレレとは違う、研ぎ澄まされたバイブを感じます。そして甘いマスクと長身を活かしたプレイは、「カッコイイ」の一言!先程まで流れていたゆったりした空気が、途端にエネルギッシュなものに代わり、会場を沸かせました。今回はボーカルまで披露してくれたジェームス。2005年より、ジェームスが愛用しているGストリングス・ウクレレの日本正規代理店にヤマハ・ミュージック・トレーディングスが決まったこともあり、これからはより多く日本で彼の演奏が見聴きできることでしょう。

スーパージャムがかがげるテーマ、「ハワイアンだけがウクレレサウンドではない!」を正真正銘見せてくれたジェームス・ヒル。素晴らしパフォーマンスを今後も期待したいです。

【セットリスト】Skipping Stone/Hello May Baby/Little Wing/The Mos Eisley Cantina/Song for Cheri/Summertime

James Hill1

James Hill2
カッコイイの一言!
 
§プロのお墨付き!佐渡の異才、今泉孝文
Takafumi Imaizumi 休憩を挟んで第2部のトップを飾ったのは、キヨシ小林さんもご推薦のアーティスティック・ウクレレ・プレイヤー、今泉孝文。はるばる新潟の佐渡からやってきてくれた今泉さん。本業は研磨業という、ウクレレとはまったく別の世界にある方のようにも思えます。が、そのプレイに反映されているのは、まさに職人の“技”。“アーティスト”という言葉がふさわしい、独自のこだわりの世界をウクレレという楽器で表現をしてくれました。インド音楽に感銘を受け、パーカッショニストとしても活躍する今泉さんは、プロも顔負けな独創的な世界観で会場を飲み込んでいました。

出番直前に自身のウクレレの弦が切れるというハプニングがありながらも、結果、他の人からウクレレを借りてステージに立ち、そして自分らしい演奏をきっちりこなせる辺も、すでにアマチュアの域を超えた余裕を感じらる、素晴らしいプレイヤーの登場でした。
 
§スウィングするウクレレサウンド、キヨシ小林
独創的な世界に浸った後にガラリとムードを変えてくれたのは、プレイヤーとして、そしてインストラクターとして活躍中のキヨシ小林。キヨシのウクレレは、南国ハワイの明るさと洗練されたヨーロッパの哀愁を融合させたような、これまた不思議な魅力あるスタイル。ジプシースゥイングやデキシーランドミュージック等のバックグランドがあるだけに、ハワイアン・ウクレレとはまったく違う独特の味を持っています。パシフィック・スゥイングと呼ばれるその奏法には、ウクレレがこんなにも上品だったかなぁと思わせる何とも言えないサウンドがあふれていて、「これがウクレレ?」と思わせる節だらけ。

ソロ演奏をたっぷり聴かせた後は、息子でもあるギタリスト、小林なおがバックアップミュージシャンとして登場。息のあった親子共演で、さらにウクレレがスゥイングしていきます。キヨシのウクレレ・サウンドは、しいて言えば、ハワイのそれが“笑っている”に対し“踊っている”という感じ。♪マークが空中を飛び回っているのが見えてきそうです。

2005年にはウクレレおじさんとして歌手デビューしたキヨシ小林。最後のナンバーは、NHKの「みんなのうた」でオンエアーされた『レレの青い空』。ほんわかしたその歌声に、身も心もゆる〜くなった瞬間でした。そしてこの日、初披露だった新曲『そら』。ウクレレおじさんとして歌詞をつけてふたたび「みんなのうた」を狙うとかおっしゃっていましたが、その後人気女性ボーカリスト・平原綾香さんの楽曲として採用され(作詞・松井五郎)、2007年1月発売の彼女のニューアルバム『そら』のタイトルナンバーとして収録されています。

【セットリスト】BRAZIL/It's Only a Paper Moon/Day Dream Believer/CARAVAN/Someday My Prince Will ComeTropic Night/そら/レレの青い空
Kiyoshi Kobsayashi
Kiyoshi & Nao
息子の小林なおと
息のあったデュオを聴かせる
 
§豪華商品をプレゼント!お楽しみ抽選会
Locky Draw さて、この日のトリを飾るのは、もうプログラム上この二人しかいません。
ハーブ・オオタ・ジュニア&ダニエル・ホー。
待ちに待った二人のデュオ演奏の前に、お楽しみ抽選会が行われました。プレゼンターは、ジュニアとダニエル。来場者のチケットの半券を使ってオンステージ抽選会を行うこの企画、ご賛同いただき商品をご提供してくださった各企業様は以下の通りでした。

・ハワイ州観光局様=ハワイグッズセット
・コアロハウクレレ様=コアラナ・ウクレレ
・キワヤ商会様=キワヤ特製ウクレレ、ロック・ユーク(出演者サイン入り)
        ウクレレハードケース(出演者サイン入り)
・フラ・レイディオ様=ミニテディベアセット
・ムームーコーヒー様=100%ピュアコナコーヒー

各社様ありがとうございました!そして当選した皆様、おめでとうございます!

「出演者のサイン入りだからってネットオークションとかに出さないように!」とのMCの言葉に大爆笑の抽選会は、豪華商品を前にハラハラドキドキ。ジュニアとダニエルが交互に引くドローも場を盛り上げました。さらに、当日遠路はるばるハワイから参加をしてくれたコアロハのアラン&ポール・オカミ兄弟が、飛び入りでコアロハ・ウクレレをプレゼントしてくれるという嬉しいハプニングまで飛び出し、スーパージャムならではの盛り上がりを見せました。
KoAloha
特別にウクレレを提供してくれた
コアロハのアランとポール
 
§真打登場!ハーブ・オオタ・ジュニア&ダニエル・ホー
TwinUke
究極の巧を見せた
ジュニアとダニエル
そして、いよいよ待望のハーブ・オオタ・ジュニアとダニエル・ホーのステージ。
それぞれソロのウクレレ・プレイヤーとしても活躍している二人ですが、二人のコラボレーションによるニューアルバム『Step 2: Ukuleles in Paradise 2』の発売を記念して、今回はデュオでのエントリー。これもスーパージャムならではの演出でしょう。

ジュニアの4弦とダニエルの6弦、二つのウクレレの違った音色の特徴を上手く組み合わせて、シンプルかつピュアに聴かせるウクレレ・アコースティック・サウンドが二人の始めたプロジェクト、ウクレレズ・イン・パラダイス。まさに楽園ハワイの情景が浮かんできそうな、心地よいサウンドに会場はとろけるばかり。ニューアルバムの日本先行発売を記念したツアーの中日だったということもあり、二人の息はピッタリ。途中で、二人羽織然という究極の巧プレイまで飛び出す辺は、ファンの期待を裏切りません。トークも少なく、淡々と素晴らしい演奏を聴かせる二人の演奏に、場内は片時も目も耳もはずせない様子。ダニエルのボーカル曲『Along For The Ride』ではジュニアがハーモニーを歌うなど、今まであまり見られなかったパフォーマンスもあり、二人のコンビの良さを物語りました。

1+1が2以上になった、ジュニア&ダニエルのウクレレ・デュオ。ウクレレの醍醐味はソロプレイだけではないということを証明する、素晴らしい演奏を見せてくれた二人には大拍手。こぼれる二人の笑顔が反映された、優しさあふれるサウンドでした。

【セットリスト】Step It Up/Kaanapali Sunset/Pineapple Mango/Song For Annna/Along For The Rise /Over The Rainbow
Junior&Daniel
 
§ウクレレソロ・バトルから観客総動員のフィナーレへ
Ukulele Jam 会場の盛り上がりも絶頂に達したところで、ジェームス・ヒルとキヨシ小林が再びステージへ。
当日のハイライトでもある、ハワイvsカナダvs日本のインターナショナル・ウクレレソロ対決です。ウクレレファンにはたまらない豪華なジャムセッション。それぞれが各々のスタイルを見せ付けるソロプレイで、観客を沸かせます。さすがにこれだけ個性あふれるプレイを一堂に観ることができる場はそうそうないので、観客はもうステージに釘付け。互いを立てながらソロを回しあうステージ上の4人の姿は、本当にウクレレ・フレンズという感じでなんだか微笑ましかったのが印象的でした。
Kiyoshi Session 大拍手の中でバトルが終わると、ヒートアップしたステージのノリで、キヨシ小林が「じゃあみんなも弾いてみよう!」と声をかけ、初めての試み“みんなでセッション”のコーナーへ突入。いつも「みんなでやろう!」とおっしゃるキヨシさんからアイディアをいただいて実現したこの企画。初めてウクレレを弾く人にも、みんなと一緒に弾くことの楽しさを伝えたいと、キヨシ自らのインストラクションで簡単な4つのコードを観客に教えていきます。そして、そのコードを巡回させることでひとつの曲を構成していくという流れ。オープニングアクトやサポート参加してくれた出演者も全員ステージにあがり、観客がストラムしつづけるコードにのせてソロを回していきます。「はい、次キミ!」と、キヨシは観客だけでなくプレイヤーにもインストラクション。何の前触れもリハーサルもなく突然ソロをふられて、ステージ上のアマチュアプレイヤーたちはドキドキ。これも、プロの仲間入りするためのキヨシ流テストだったのかもしれません。観客席には、隣の人にコードの押さえ方を聞きながら必死についてくる初心者の方、余裕でコードを弾きながらプロとのジャムを楽しむ上級者の方、一生懸命手拍子で応援してくれるウクレレを弾かない方と様々。ステージも客席もそれぞれの姿で、みんなでひとつのことをする楽しさを味わっている様子。終わった時はステージからも客席からも大拍手。ウクレレの醍醐味はやっぱりみんなで楽しめるところにあるのかもしれません。
Audience
Sakura Finale そして迎えたフィナーレには、歌姫SAKURAが再び登場。「やっぱりハワイの最後はこの曲だよね」と『ハワイ・アロハ』を歌ってくれることに。すると、SAKURAは当日遊びに来ていたヴァンスKの姿を目ざとく見つけ、まさに帰ろうとしていた彼をステージに呼び込んでしまいました。これはまったくの予定外、演出上のシナリオにはありません。それにもかかわらず、ヴァンスも快く飛び入り参加してくれて、SAKURAと一緒に『ハワイ・アロハ』を熱唱。観客もウクレレを弾いたり、一緒に歌ったりと、スーパージャムの最後のひと時をみんなで分かち合いました。
最後はヴァンスがしっかりと締めてくれて、素人MCの出番なし。こうしてウクレレ・スーパージャム2006は幕を閉じたのでした。

ウクレレの魅力を五感で体験していただいたウクレレ・スーパージャム2006。ウクレレ・スーパージャムはこれからも様々なウクレレのあり方を見せ、より多くの人にウクレレに親しみ・楽しんでいただけるように、日本のウクレレ布教活動に貢献してまいりたいと思います。
 
番外編〜普段着のアーティストたち〜
 
 普段は見ることのできない、ステージの裏側をお見せします!
Daniel @Backstage
ダニエルさん、
お食事中失礼します!
Junior @Backstage
抽選会の商品に
サインをするジュニア

Sound Check
ただいまリハーサル中
セッション曲が決まらない!の図

Daniel vs James
ダニエル vs ジェームス
リハ中なのにすでにバトル(?)
写真:武田健蔵、リディア・ミヤシロ
文:纐纈史子

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